コースデザイン(3年間でSTAT認定資格取得可能)

コースデザイン

アレクサンダーテクニークスタジオ東京(ATST)は英国にあるアレクサンダーテクニーク教師協会、STAT(Society of Teachers of Alexander Technique)から、教師養成を認定された学校です。卒業の際にはSTATより教師認定資格を得ることができます。学生が卒業を認定される基準は以下です。

  • 最低1600時間のトレーニングを少なくとも3年間をかけて履修すること
  • アレクサンダーテクニークの基本原理を理解し、口頭でも実践でも伝えることができる

核となるカリキュラムは、アレクサンダーテクニークの基本原理に基づいています。抑制と方向づけ、心身一如(こころとからだの不可分性)、余計なことをしないこと、誤った感覚的評価、強い習慣の力、頭-首-背中の関係についての理論など、本質的な概念をカバーしています。
アレクサンダーテクニークは、創始者自身の実践的な探求から創設されたものであるため、総学習時間の80%以上は実践的なワークになります。この中には、ハンズオンと呼ばれるアレクサンダーテクニーク教師独特の繊細なtouch(敬意をもって他者に触れる)の習得が含まれます。
実践と同時に、筋道の通った論理的な理解も欠かせないため、クラス内でアレクサンダーの著作、関連書籍や文献の読書とディスカッションを行います。また、エッセー、要約など、定期的な課題提出が求められます。その準備のために家庭での学習時間もある程度必要です。

受講資格

AT教師になりたいという意思と勉学に対する熱意があれば、資格は問いません。
ただし、STAT は事前に1対1レッスンの経験が30レッスン以上あることを推奨しています。3年間のフルタイムの学習は、少人数で行うため密度が高く、教師、学生双方が二人三脚で取り組む繊細で集中的な時間です。受講者がスムーズに学習をすすめるためには、入学前にATがどういうものであり、何を学ぶものかについて理解しておくことと、教師と学生が互いを知ることが必要です。そこからお互いを尊重した3年間の学習がはじまります。
ご希望の方は、アレクサンダーテクニークスタジオ東京宛にご連絡ください。事前に校長のレッスンと面談を受けて頂いた上で、入学を決めさせて頂きます。その後、校長もしくはアシスタントの個人レッスンを必要回数受けて頂くこともあります。

カリキュラム

1年目:基礎課程 
アレクサンダーテクニークの原理を全体として理解し、自分の日常生活にどのように使うか実践し、自分の使い方を安定させ、洗練させるための期間。1学期目は自分の使い方にフォーカスし、2学期目以降から、少しずつ他者との関わりの中での自分の使い方を考えます。

2年目以降:中期課程
日常生活の中である程度アレクサンダーテクニークを使うことが定着し、他者と向き合ったレッスン形式でも、安定して自分が使え、口頭、手からの両方でコミュニケーションをとるための期間。

3年目以降:後期・最終課程
卒業後、自信を持って教えることができるようになるための準備期間最終課程では、適切な監督のもとで一般の人を対象とした実習を行います。それに先立ち、最初のレッスンで何をどのように教えるかのレッスンプラン(教案)を作成します。

*3年間のうち、2年目と3年目の最終段階の2回、外部のモデレーターが招聘され、各学生の学習進捗状をSTATの原則に従ってはかり、今後の学習に役立つ助言を校長に提出します。これは、学習状況を内部だけではなく、外部の視点からも見ることで、総合的に学生の成長を促すためのシステムです。

*学習習熟のペースには、個人差があります。合否を決める卒業試験のようなものはありませんが、与えられた課題の期限内の提出、必要学習時間(3年間で1600時間以上)の履修、クラス内における取り組みなどは、学習の習熟度に比例すると考えられます。
ほとんどの学生は、3年間で一般の人々に教えることができる段階に到達します。しかし、必要に応じて、最低時間数を超えて履修することを求められることがあります。一部の学生の中には、3年間という期限によるプレッシャーを望まず、自分の学習ペースに沿った延長を希望する学生もいます。

クラスについて

技術の習得には、学生自身の積極的で主体的な取り組みが不可欠です。
入学時期の異なる学生が、互いを尊重し、協力しあい、実践的なスキルやアレクサンダーテクニークの用語の説明や表現能力を高めていきます。できることが増えていくにつれ、課題の質は高くなり、実際のレッスンの状況に近づきます。3年次の後期・最終課程には、充分な準備と適切な監督の下、一般の方にレッスンを行う、教育実習があります。

 時間:毎週火曜日〜金曜日 9:00~13:00
*途中飲み物や軽食をとりながらクラス全体が、ゆったりひと息つくお茶休憩の時間があります。(20〜25分)

その他の学習内容
・アレクサンダーテクニークを使って行うムーヴメント、アクティビティ
・身体構造に関する学習(アナトミー、ボディマッピング、生理学など)
・基礎的な心理学とカウンセリングについて
・仕事をする上で、プロとしての心得と職業倫理について

合宿
毎年、自然に囲まれた環境で3泊4日の合宿を行います。普段の日常とは違った環境で、自分の使い方を考えます。合宿では、学生の主体的な取り組みが求められ、毎年クラス全体でのプロジェクトに取り組み(詩の朗読、劇、歌など)、アレクサンダーテクニークを使って、何ができるかを試します。また、学生達でワークショップや、ムーヴメント、自分の興味分野についてのプレゼンテーションなどを行います。クラスメート、卒業生、教師とゆっくり語り合い、自分の理解を深める機会となっています。

講師

細井 史江(校長)

英国STAT公認教師トレーニングダイレクター
アレクサンダーテクニークスタジオ東京主宰

アクティングコーチギルド正会員

North London Alexander Teacher Training course (ロンドン)卒業。出身校での後進の指導はじめ、当地で幅広い指導経験を積み、2005年帰国。アレクサンダーテクニークの活動を行うため、アレクサンダーテクニークスタジオ東京(ATST)を立ち上げ、表現者のためのトレーニングはじめ個人、団体へのレッスンを行う。また、The Alexander Teacher Training School(ロンドン)をはじめ、正規講師として教師養成の経験を認められ、STATより教師トレーニングを開設する認可を受け、2013年より東京でATST教師トレーニングスクールを開校。

俳優向けクラス
「アレクサンダーテクニークと表現」夜間定期開催
「表現とアレクサンダーテクニーク」(元RADAイラン・レイシェルと2015年より開始。毎夏開催)
松竹エンタテインメント俳優スクール、シアタースコラ 講座担当
「俳優トレーニングの科学的アプローチを探る」(文化庁、セゾン財団助成)

音楽家向け
東京芸術大学音楽学部特別講座、サントリーホール室内楽アカデミー、ならミュージックアカデミー、栗友会、東京芸術劇場アカデミー

著作・論文
翻訳
「アレクサンダーテクニーク ある教師の思索」 幻冬社 パトリック・マクドナルド 著

論文 
「Connected Perspectives」 hite社 The Technique as Personal Cultivation: A Japanese Perspective 「邦題「修行としてのアレクサンダーテクニーク」
「俳優育成システムの探求」 多摩美術大学/東京演劇大学連盟

「俳優トレーニングにおけるアレクサンダーテクニーク」
「俳優トレーニングの科学的アプローチを探る」 セゾン文化財団、文化庁平成20年度芸術団体人材育成事業

著作・論文の詳細はこちら

大塚由美(副校長)

ドイツフライブルクにてアランカ&ミヒャエル・フォルトヴェングラー氏のもとでトレーニングを受け、2007年GLAT(現ATVD)認定教師資格を取得。
武蔵野音楽大学卒業。ドイツカッセル市立音楽院フルート課程修了。

松本マキ

東京学芸大学 芸術スポーツ文化課程 音楽専攻 卒業
アレクサンダーテクニークスタジオ東京 教師養成講座 卒業
高等学校音楽科教員の研究会で講師として招かれた他、よみうりカルチャー八王子でも講師を務めた経験がある。
現在は個人レッスンでの指導の他に、アレクサンダーテクニークスタジオ東京 教師養成講座にてティーチングスタッフを務めている。

鈴木水季

公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、
郁文館夢学園スクールカウンセラー、千葉経済大学非常勤講師
日本SEL学会理事
日本ポジティブ教育協会理事

精神科病院、企業の産業カウンセリングの豊富な臨床経験に加え、レジリンエンストレーニングやソーシャルスキルトレーニングなどのSEL(社会性と情動の学習)も手がける。
日本ポジティブ教育協会レジリンス・トレーナー養成講座講師を担当。

<著書(共著)>
「共に生きるための人間関係学―「自立」と「つながり」のあり方」(金剛出版)
「イラスト版子どものためのポジティブ心理学」(合同出版)
「子どもの逆境に負けない力『レジリエンス』を育てる本」(法研)
「臨床に必要な人間関係学」(弘文堂) 
「精神保健福祉相談援助の基盤(専門)」(弘文堂)
「相談援助の基盤と専門職」(弘文堂)

八木道代

モデレーター
2005年 Alexander Technique Center Amsterdamにて指導者資格取得
帰国後アレクサンダー・テクニークの指導を開始
その傍ら、非常勤講師として、中学校・高校・大学においてアレクサンダー・テクニークの理論をベースとした保健体育・ボディワーク授業を実践
学生・生徒の能力を引き出すポイントを常に模索している。
出版:「F.M.アレクサンダーによる4冊の要約」日本語版監修

ATST客員講師

ドロシア・マゴネット

ロイヤル・アカデミー・オブミュージック(RAM) アレクサンダー・テクニーク元主任。STAT元会長。ATST設立から2019年までATSTモデレーター。北ロンドン教師トレーニング卒業。

イラン・レイシェル
元RADA(ロイヤル・アカデミー・オブドラマ)講師。セントラルドラマスクール、LIPSAでATとムーヴメントを担当。ピーター・ブルックやキャサリン・ハンターといったアーティストと作品を作る。

ピーター・リボー
Centre for AlexanderTechnique 校長。パトリック・マクドナルド門下。

イフダ・クーパーマン
パトリック・マクドナルド門下。フライブルグ、バーゼルで教師トレーニングを開講。

グラハム・グリフィス
元LSO(ロンドンシンフォニーオーケストラ)首席ヴィオラ奏者。RAM講師。

マーク・ベニー
AUSTAT(オーストラリア アレクサンダーテクニーク教師協会)会員。オーストラリアトレーニングコース講師。

他の分野の専門家
鈴木水季氏(公認心理師、臨床心理士、精神保健福祉士、千葉経済大学非常勤講師)
桑折勇氏(徳洲会 日野病院 医師)
望月左太寿郎氏(邦楽囃子方演奏家)

望月秀幸氏(邦楽囃子方演奏家)

松山立氏(日本大学芸術学部准教授)
窪田壮史氏(新国立劇場演劇研修所講師)

James Sutherland氏(桐朋学園短期大学 講師)
舘野百代氏(SPAC俳優)

コース概要

概要校長 細井史江
副校長 大塚由美

※3年間に2回、学習状態のチェックとアドヴァイスをするためにSTATのモデレーション(監査)のシステムがあります。STAT公認を受けるためには最終学期の審査に合格する必要があります。
詳細は 上記「教師養成コースについて」ページ「トレーニングコースカリキュラム」ご覧ください。
期間3年間(9学期 1600時間以上) 約12週/学期(うち1週ハーフターム休み)3学期/年+集中特別講座
*年に1~2回、集中特別講座/合宿を予定しています。

2024年
冬学期

1月9日(火)~3月29日(金)(ハーフターム休み 2月17日~2月26日)

春夏学期
4月16日(火)〜7月12日(金)(ハーフターム休み 6月4日〜 6月10日)
GW休暇:4月29日~5月6日 
合宿:5/27 ~ 5/31 、6/2(月) 午前登校日

秋冬学期
9月17日(火)〜12月6日(金) (ハーフターム休み 10月28日〜11月4日) 
感染予防対策を十分に行った上で、トレーニングコースを運営しております。
政府、関係機関の方針に従い運営の方法は順次見直し、従来の運営法に適宜移行していく方針です。
時間毎週火曜~金曜 9:00~13:00
授業料352,000円/学期(2022年春学期現在) 毎学期開講前にお納めください。諸般の事情により変動することもあります。 また、合宿の場合、宿泊、交通費など別途必要な経費が生じます。
定員STAT認定の学校は、定員についても厳格な基準が定められています。詳細はお問合わせください。定員に達した学期は新たに生徒さんを募集いたしませんので、ご了解ください。
目的アレクサンダーテクニーク教師として仕事をするのに必要な専門的知識、スキルを身につけ、専門家として社会に貢献できる人材を育成することを目的とします。
授業内容総授業時間の80%以上は「ハンズオンワーク」(手を使って教える実践的なワーク)の習得にあてます。
その他、身体構造に関する学習(アナトミー、ボディマッピングなど)、アレクサンダーテクニークを使ったムーヴメント、アクティヴィティ、書籍研究などを行います。研修期間中、複数のレポートの提出が求められます。
取得できる資格全課程を修了し、モデレーターの最終試験に合格すると、STAT (The Society of Teachers of the Alexander Technique)の認定が受けられます。この資格は国際的に高い信頼を受けており、海外の主要な公的機関の教師の大多数はSTATおよびその提携協会の認証を受けた教師です。
※モデレーター審査を受けるためには、1学期のはじめにSTATの学生メンバーに登録する必要があります。
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